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エリ・エリ

エリ・エリ・ラマサバクタニと呼びしとき空より声のきたることなし
 高安国世

 短歌を始めた頃、好きだったのが高安国世。<二人ゐて何にさびしき湖(うみ)の奥にかいつぶり鳴くと言ひいづるはや>という歌などは、有名ではないがけっこう好きで、いまでも、なんとなくこころさみしくなったときにはつぶやいたりしている。(ただし、いま、手元に歌集がなく、引用が正しいかどうか自信なし(T_T))
 エリ・エリ・・・の歌は、呪文のような上句が印象に残っている。当時は、クリスチャンではなかったから、エリ・エリ・・・(「神よ神よ、なぜ私をお見捨てになったのですか?」)が十字架上のイエスが発した言葉と知っても、あ、そう、という感じだった。ただ、生活に困窮し、心身追い詰められていた高安国世の天を仰ぐよりやるかたない絶望感みたいなものは感じられた。それは、言葉の意味からというより、歌自体のひびきとか形からだったように思う。

 いま私は、エリ・エリ・・・という聖書の言葉には当時とはまた全然違う思いがあるのだけど、この歌に対してはひどくなつかしい変らない思いを持つ。

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