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有元利夫

 今日も新横浜。22時過ぎ帰宅。

 ずいぶん以前に、当時の知人から教えてもらった画家の有元利夫という名前。たぶんその知人からもらったと思われる日経ポケットギャラリーという文庫版のミニ画集がたまたま出てきてめくる。
 西洋のフレスコ画と日本の仏画に影響をうけて、岩絵具をつかった独特の絵が印象的である。
 1946年生まれで1985年に38歳で逝去。西洋とも東洋とも思えない不思議なしずかさをたたえた作品を残している。しずかでありながら、ときに華やかでかろやか。思索的でありながらどこか柔軟な精神が感じられる。
 日経ポケットギャラリーには作品とペアで有元の小エッセイも載っていて、その言葉は平明ながら本質をとらえたものである。

芸術が良いのは、文学でも音楽でも美術でも、人間が感じているけれどもモヤモヤしていてハッキリしないある感じを音や型や色や言葉でハッキリさせてくれるからだ。

人は初め、強いドラマ性にひかれる。が、それを本来的に強めるのは、色や型(かたち)であることに気付く。そのうち、内にあるドラマや創造性は弱まり、色や型の強さが残る。

 モヤモヤしている「ある感じ」とか、ドラマや創造性が弱まる「色や型の強さが残る」という言葉に信頼感をもつ。さいしょからハッキリしたことを書きたがるひと(最終的にハッキリするのではなく)、ドラマ性ばかりを追う人は結局なにもわかっていない。

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