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2005年7月25日 (月)

人畜に踏みしだかるるたんぽぽを数へてゐたり野のされかうべ

     『なよたけ拾遺』永井陽子

 童話調でありながら怖い情景である。
 人畜という言葉にはっとする。人と動物が同列なのである。
 この世のことをどこかで怖ろしくフラットな視点で眺めている目がある。人も動物も人の心も世の情景もどこかに思い入れをするわけではなく、ただ眼のない空洞の穴のなかから、されこうべの視点で眺めている。
 しかし、一方で、そのフラットであり、かつどこかむごい情景の中で、やはり、情というか人へ帰っていく想いもある。
 同じ一連にこんな歌もある。
ほのぐらくたづさへあへるてのひらのあはひを星が流れてゆけり
身をやつしこころをやつしうつそみのひとを愛すと笛天に吹く
三界にかがやく羽根となるまでを飛べたをやかに君のオーボエ
かのひとのこころのすきま吹きぬけてなほ凛々と水に立てる木

 身をやつしこころをやつしうつそみのひとを人は愛さずにはいられない。されこうべになっても、なお。

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